記録録

日々の記録を書き記したもの

【読書】BRAIN DRIVEN 著:青砥瑞人

モチベーション・ストレス・クリエイティビティに関して書かれている本。

 

ここでも大事なことは”自分を知ること”であると書かれていた。

何に感性が働き、何を好み、どういった反応が自身の中で起こるのか、それを知ることで場面場面での対処や人生を歩んでいく上での指針ができるということなのだろう。

 

「自分を高める」という命題を達成するためにはメタ認知として自分自身を客観視・俯瞰しした状態が必要となる。

その為にも、自分を客観的にとらえてみる時間が求められる。日常的に自分のことは理解できていると思いがちなため意外と自分自身に関することについてスルーしがち。それを意識的にその時間を作ることで、情報として脳に残す行為が大切になる。

人間の行動と志向を理解するには、密接に関連する感情を理解することなしには難しい

モチベーションやその他の場面でも、その感情によって行動や思考は大きく影響を受けるという。その時に自分の感情や感覚を見過ごしてはいつまでたっても、パフォーマンスを高めたり成長につなげることができないのだ。

脳が何かを欲したり、求めたりする状態は、ドーパミンを誘導することで注意力や記憶定着率を高める効果や、新たなものをクリエイトする能力の増大効果も期待できる。

パフォーマンスを上げたいと考えているならば、食事は腹八分目にとどめておき、ある程度欲求が起きやすい状態でいることが効果的なようだ。だからこそ、仕事やすべきタスクがあるときに空腹を感じたら集中力を高めるチャンスと捉える考え方もできるだろう。

繰り返し独特な作法をすることで、自分のモチベーションを高めるスイッチになる。

本書で一番参考となった部分。

モチベーションを高めたいときに、独特な身体的動作を行ってから取り掛かることでその作法がモチベーションを高めるスイッチとして”ON”状態に切り替えてくれるのである。これは身体的動作に限らず、モチベーションの高まるもの(好きな音楽やアニメのシーン等)を思い浮かべてそれをきっかけにスイッチを入れることでもいいとある。

いずれも、その作法がモチベーターとなり自発的に高揚感を生み出せるような仕組みとなるのである。ここでのポイントは”高揚感を意識して作法を繰り返すこと”だ。

これまでモチベーションをその時の自分の気分頼りにしていたことが多く、いざ取り掛かるとなるとモチベーションが全く上がらず結局何もしないといった場面が多くあった。この方法を知れたことで今後のタスク処理の一助となれたらと感じた。

 

何をモチベーションとするかは人それぞれではあるが、嫌い・避けたいという行動原理の下嫌々行う事(嫌避モチベーション)は、あまり効果的とは言えないようだ。

なぜなら自分が思い描いたこととは異なることをしている脳の状態に近づき、”やらされている”と感じてしまうからである。また、なによりそういったモチベーション状態では継続させることが困難である。

逆に効果的な反応として「好接モチベーション」がある。これは望んで刺激や情報に向かう状態で新しい学びの情報や場に身体を導くものとされる。この状態だとドーパミンが出ていてノイズに対して注意が向きにくくなるという利点もある。ただ、ノルアドレナリンによる強化は得られていないため、完全に集中しきれている状態ではない。そのためタスクが困難なほど嫌避モチベーションに代わりやくなってしまう。そのため、学びや行動を始めるきっかけとして好接モチベーションを引き起こし、それをいかに「学習モチベーション」に移行させるかが重要となってくる。

「学習モチベーション」とはノルアドレナリンドーパミンが適度に出ている状態で、強い記憶を育み、あらゆる学びに最高な脳の状態である。

ノルアドレナリン反応はストレスの起点となるものの、必ずしも悪いものではない。    むしろ対象シグナルへの認知性(注意や記憶定着率)を高めるポテンシャルがあるそうだ。

 

モチベーションにもいろいろな種類があるが、それとは別に失敗への向き合い方も自己成長には大きな影響がある。

失敗したときに素直に認識し、成長への栄養素と捉えられるような認知的柔軟性が高い人のほうが、物事を継続することができ後々成長へとつながることが多い。

 

また、心理的安全状態を作ることもモチベーションを考えるうえで大きなポイントとなる。モチベーションを高める・行動をするときに割くエネルギーを保持するためにもその前提として心理的安全状態が必要なのである。

心理的危険状態を心理的安全状態に移行させるには

目的やゴールを設定する

目的やゴールが曖昧だと不安を感じやすくなり前進しにくくなる。それを設定することですべきことを明確にし、また、それによりドーパミンが誘発されさらに前向きにモチベーションを支えてくれる効果も期待できるようになる。

しかし、何事も目的やゴールが定められるわけではないので、そういった場合は曖昧さやカオスな状態を受け入れそれを楽しむ・そこで成長差分を認知して好機ととらえる、マインドセットが重要である。

 

自分の状態に気づくこと

モチベーションがどのように引き出されるかについては、SEEK・WANT・TRY・LIKEの四つの情動を理解するといい。この四つの情動が自分にとってはそれぞれ何か整理することは、モチベーションを高めていくうえで有用となる。

また、日々の中で何を感じたか・なぜそう感じたかを書き留めておくことも大切である。その時々の感覚や感情を書き留めておくことで自己の状態に気づきやすくなり必要な時にモチベーションを高めやすくするためである。

他にも、普段から自己と向き合い内部環境とコミュニケーションが行われていると、自己にとってポジティブなシグナルへの誘引、いわゆる「引き寄せ効果」が高まる可能性もある。これは報酬予測感に気づきやすくなるためである。

 

意識的に「良いところ」を見つける

人はダメな部分に目を向けがちである。反省は必要な行為ではあるが、そこばかりに注意するのではなく、「良かったところ」にも意識を向ける必要がある。そうすることで自己肯定感が高まり、学びのモチベーションにもつながる。またそれが次の挑戦の時に前向きな姿勢へと変えてくれるのである。

 

ものごとの捉え方を見直す

特に仕事をする際、モチベーションを必要とする場面が多いが、その時お金をモチベーションとするか経験をモチベーションとするかでその後のモチベーションは変わってくる。お金のみをモチベーションとしてしまうと、結果がすべてとなるため先がどうなるかわからないことに関してモチベーションが上がりづらくなってしまう。逆に過程に重きを置いて取り組むことで記憶もカラフルになり、今後新たに取り組み事柄についても前向きにとらえることができる。