記録録

日々の記録を書き記したもの

【読書】ジェイソン流お金の増やし方 著:厚切りジェイソン

初心者向けで読みやすく、漠然とお金を増やしたいと考えている人には参考になる部分もありそうだと感じた。ただ本書の何割かは投資信託ETFの話に割かれているため、それ以外の投資を考えている人にとっては物足りなさもあるかもしれない。

投資のリスクを自分でコントロールすることはできません。でも、自分の人生のリスクをコントロールすることはできます。

著者のマインドの一端をうかがい知れる記述だが、確かにITバブル・リーマンショック等、投資をするにはいくらでもリスクはあってそれは一個人ではどうにもできないものである。ただ自分の人生は別で、リスクをとってチャンスをつかみに行くか、リスクを回避して今の延長線上を進み続けるかは自分自身で選択ができる。自分にとって何がリスクか・どこまでだったら許容できるか、場面場面でその判断を下し人生のリスクをコントロールできればと感じた。

 

【4%ルール】

老後の2000万円問題が取り沙汰されて久しいが、アメリカ・トリニティ大学の論文でFIRE(経済的自立と早期リタイア)するために必要な資産の目安は年間支出の25倍という「4%ルール」が示された。これは理論上、年間支出の25倍の資産を築けば年利4%の運用益で生活費を賄える、ということである。

貯金の利子では到底年4%の運用益を出すことは難しいが、巷にあふれる投資の中で胡散臭いものを除いてもそれを見つけ出すことは難しくなさそうだ。また、理論上であっても目安があることで無駄に将来を不安がらず、やみくもにお金をため込むのではなく目標をもってた資産形成をしやすいと感じた。

 

【投資商品VTIについて】

著者は数ある投資先の中でも”VTI”への投資を薦めている。S&P500などはなじみが深いが、VTIではそれに加え中小企業も含まれている。次なるユニコーン企業など将来的に大成長する可能性のある企業への投資もでき、組入企業が多いから分散投資にもなる。

 

【米国株への投資】

著者は投資信託ETFの投資先として米国株を推奨している。             その理由としては以下のとおりである。

①米国の市場が強い⇒世界の企業時価総額でも上位を占める

②日常の中でも多く利用(IphoneGoogle・インスタグラム…)

③グローバル企業が多く単にアメリカ市場のみの影響を受けるわけではない

それに加えて、米企業トップ経営者が自社株価を上げることを重視している点がある。  アメリカではCEOの報酬が株価と連動していることが多い。株価の上昇が彼らの収入に比例するため、より「いかにして株価を上げるか」といった感覚が鋭いということである。

 

これと併せて参考になったのが”投資しないもの”に関する記述。

例えば暗号通貨はたびたび話題に上がるが、ここへの投資は避けているという。その理由が、暗号通貨の価値・将来性が見えないことと、何故ここまで急騰しているかの理由がわからないためという。

かつて起こった「チューリップバブル」はチューリップ自体に価値があったわけではなく、「チューリップが儲かるらしい」という噂が人々を過熱させた。

今の暗号通貨もそれに近いものを感じているらしく、暗号通貨それ自体の価値ではなく人々の思惑によって価値が決まっているとある。

あらゆる投資に関係する話だが、その価値が何によって決まっているか、はきちんと見定める必要があるとこの記述によって気づくことができた。

 

またこれに近い話でコモディティ投資もあまりお勧めはしないようだ。

その理由は、例えば金や石油それ自体が成長することはなく、「○○に価値はない」と人々が思った時点で暴落する危険があるためだ。

 

その他、政府の意向に大きく左右される中国株や流動性の悪く手間のかかる不動産投資等も挙げられていた。