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【読書】珍夜特急1 著:クロサワコウタロウ
「面白い」。そう思いながら、久しぶりに夢中になって読み進めた本。
コロナ禍で海外どころか国内ですら気軽に行けなくなった昨今、旅情を感じられる本を読みたいと思いたまたま見つけて読んでみると、次から次へと起こるアクシデントにページをめくる手が止まらない。
1では旅のスタートであるインドからパキスタンまでの道中が記されている。
地理に疎い私ではパキスタンと言われてもパッと思いつくものがないが、インドといえば交通ラッシュ、エネルギッシュな人々、カレーに熱気のある道中…などなど映像や本でしか知らない、けれども様々なイメージが浮かんでくる。
著者も私の想像にもれず、その環境下でかなり揉まれたようだがやはり人間、順応していく生き物なのか一冊目にして逞しくなっていく過程が見て取れる。
海外に出れば否が応でもカルチャーショックを受けるものだが、著者はインドでのボランティア経験を通してこう感想を述べている。
『私にできること。それは与えられた「先進国に生まれた人間」という特権を、しっかりと使い切ってやることしかないのではないか。こういったインドの貧しい人々が、どんなに頑張っても手に入れることのできない機会を生まれながらなして持っているのだから』
私もこれまで何度か海外旅行をし、時にはホームステイもさせてもらい、大変そうな暮らしぶりや逆にうらやましい生活の一端を目にしてきた。
ただ、どんなに同情してもうらやんでも、私の生活や環境が変化するわけではないのだ。
それなら私は私で、今あるこの環境に感謝し、この環境に折り合いをつけながら生きていこうと思えた一冊だった。
【読書】うまくいっている人の考え方 著:ジェミー・ミンチントン
私自身、他人と自分の境界線はかなりしっかりひかれている、と意識している。
ただこの境界線に隔たりがありすぎると自分をぞんざいにしたり、あるいは特別視をしたりとバランスを欠いた接し方になってしまい、それが自己肯定感の低下ひいては幸せから遠のいてしまう、というのがこの本を読んで一番感じた。
書いてある内容は普遍的なものが多く、そこまで目新しさはなかった。それでも、印象に残ったものがいくつかあったので、ここに書き記す。
「幸せというのは、何かいいことがあったから気分がいいということではなく、あくまでも自発的に生み出される心の状態を指す」
周りの人たちを見ていると生活も環境も金銭的にも十分に充足した生活が送れていても不満を多く口にしている人を間々見かける。私からしたら十分幸せの範疇にあっても、本人からしたら足りない部分に目が行ってしまうのだろう。よく言われるコップ半分の水を見て「これだけしかない」と思うか「こんなにある」と思うかの違いである。自分の幸せは他人が決められるものではなく、自身の人生観次第。ないものばかりに気を取られず、あるものに感謝をし幸せを生み出しながら日々を過ごしていければ、と改めて感じられた。
「自分でできることは自分でする」
私は割と公私ともに自立した生活を送っていると自覚している。それでも普段の生活で「○○してくれない」と他責する場面が時々あった。料理や簡単な修理といった必要なことは自分でする精神を養うことで、いざというときでも人に頼らず自分でできるため被害者意識を持たずに済む、この考えが私には足りていなかったのだと気づかされた。
良い意味で他人を当てにしないこと。それが人生をうまく過ごすコツなのだ。
「現在に意識を向ける」
私たちは頻繁に”タイムトラベル”をする。未来を想像し、過去を悔やむ。その繰り返しで現在の幸せを見失っているのだ。変えることのできない過去や、まだ来ることのない未来に思いをはせるのは、いまの幸せをスルーしてまですることではないのだ。タイムトラベルはほどほどに。
【読書】外資系コンサルの知的生産術 著:山口周
タイトルには「コンサル」と記載されているけれど、コンサルに限らずもっと言えば仕事に限らず、日常生活においても役に立つと感じられた一冊。
「論理的思考」「知的生産」といった言葉が昨今巷にあふれていて、それらの中では具体性や実務での活用には欠けている・あてはめづらいものも多い。
一方、この本ではそれらの行動様式を解きほぐして解説しているため腑に落ちやすい。
特に印象に残っているのが「『問い』を進化させる」ことの部分。
大前提として問いがありそれを解決するための知的生産ではあるが、その過程において「問い」が変質することはしばしばある。それでもそこで心を折らずに粘り強く解を求めることで知的生産のクオリティも高まる、とある。
確かに、最初はざっくりとした問いを立てつつ調べていてるとふと「もっとここにフォーカスしたほうがいいのでは」といったことが過去の経験でもあった。そうなったときにはより深くその課題に向き合ってると思い、突き詰めていけばいいのだと自信になった。
また最後のほうに書かれていたが、名著や有用そうな本を多く読むことで知識をストックすること、色々なことに関心を持ち日々を漫然とアンテナを立てインプットの量を恒常的に高い水準に保つことでより生産性を高められるのだと感じたし、これから少しずつでも日常に取り入れてみたいと思えた一冊。
まずすべきこと
何かを調べるとき、ついやみくもに情報収集をしがちだが、まずすべきは顧客の求めているものを明確にし、その人にとって新たな深さ・広さのある情報を提供できるようにすること。
相手の期待値をしっかりと認識しておくことで、自分の提供すべきもののレベルも定まってくる。
情報収集
定量的な情報はシンクタンクやネット等の公開資料・統計を参考に。
定性的な情報は関係者からの収集が主となるため、時間がかかる可能性もあり前もってその時間を見積もっておくこと。
また顧客や関係者に質問するときは「はっきりさせたいポイント」を前提に質問の具体性を高くすること。
そうすれば回答もより明確になり、結果としてより良いインプットにつながる。
インプットを行う際、どのようなアウトプットにしようかイメージを固めたうえで”足りない情報”を探す感覚で臨むと情報の取得効率が高まる。
プロセッシング
プロセッシング:得た情報から文脈に沿った意味合い・示唆・洞察を紡ぎだしていくこと
Ex.ある企業が大型の工場設備投資を実施⇒その工場の生産能力と減価償却の規模からどの程度の価格で市場に参入するかの目安を得られる
常に行動を提案する意識を持つこと。つまり「どうすべきか」という問いに対する解を用意すること。
その時に答えが出ないのは「問いの立て方」か「情報の集め方」に問題がある可能性があるため、立ち返って別の方策を考えるほうが良い。
また「考える」といっても、それは時間をかけるよりも何度も繰り返し考えたほうが突破口を見つけやすい。
知的生産では、統合・分析・論理・創造の4つのモードをうまく使い分けることが求められる。
◆分析 比べること。時系列分析では今と過去、構成比分析では部分と全体、といった比較。求められるアウトプットを規定する、問題の本質をつかむためにはまず分析が必要となる。/ばかりになると、「どうするのか」という問いに結論が出せなくなる。
◆統合 断片的な情報を組み合わせて新しいしさや意味合いを生み出すモード。分析のついとなるもの。/ばかりになると短兵急な拙速な結論を出す傾向にある。
◆論理 結論の妥当性が保たれるように推論を積み重ねていくこと。/ばかりになると凡庸で差別化の難しいプランばかりになる。
◆創造 積み重ねを省いて一気にゴールをイメージすること。差別化のためのプロセス。/ばかりになると面白いアイデアは出せるけど、筋道立たないことが多くなる。
分析の結果明らかになった事実を総合的に判断して、新味のある解を創出していくためには統合と想像が欠かせない。これらの活動を底支えするために論理力はプロセッシングの全過程において求められる。
一次情報から洞察・示唆を引き出すコツ⇒紙に書きだし並べることで、情報の意外な組み合わせが生じることも。また俯瞰してみることもできるので、問いに集中しすぎて近視眼的見方に陥るのを防ぐ効果も。
プロセッシングに行き詰まったら「問い」をずらしてみると状況が打開できることも。問題は常に「現状とあるべき姿のギャップ」として問題点・解決策を再定義してみることも一案。
イノベーションを起こすためには「そもそも、どうしてそうなのか?」と「もし○○だったらどうなるか?」この二問を多用して思考レベルを深める。
アウトプット
アウトプットがWhat、Why、Howの三要素を備えているかを意識する。知的生産にはしないとどうなるか、すると何が得られるかといった最終的に行動の提案に繋がらなくてはならないため。
知的ストックを厚くする
ごみのようなインプットしていては、ごみのようなアウトプットしか生まれない為、何をインプットするかを意識しつつ情報元は峻別すべき。この時、ごみの峻別方法としてまずは名著・定番=「ハズレ」のなさそうな評価の確立している情報をおさえることが重要。