記録録

日々の記録を書き記したもの

【読書】外資系コンサルの知的生産術 著:山口周

 

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タイトルには「コンサル」と記載されているけれど、コンサルに限らずもっと言えば仕事に限らず、日常生活においても役に立つと感じられた一冊。

「論理的思考」「知的生産」といった言葉が昨今巷にあふれていて、それらの中では具体性や実務での活用には欠けている・あてはめづらいものも多い。

一方、この本ではそれらの行動様式を解きほぐして解説しているため腑に落ちやすい。

特に印象に残っているのが「『問い』を進化させる」ことの部分。

大前提として問いがありそれを解決するための知的生産ではあるが、その過程において「問い」が変質することはしばしばある。それでもそこで心を折らずに粘り強く解を求めることで知的生産のクオリティも高まる、とある。

確かに、最初はざっくりとした問いを立てつつ調べていてるとふと「もっとここにフォーカスしたほうがいいのでは」といったことが過去の経験でもあった。そうなったときにはより深くその課題に向き合ってると思い、突き詰めていけばいいのだと自信になった。

また最後のほうに書かれていたが、名著や有用そうな本を多く読むことで知識をストックすること、色々なことに関心を持ち日々を漫然とアンテナを立てインプットの量を恒常的に高い水準に保つことでより生産性を高められるのだと感じたし、これから少しずつでも日常に取り入れてみたいと思えた一冊。

 

まずすべきこと

何かを調べるとき、ついやみくもに情報収集をしがちだが、まずすべきは顧客の求めているものを明確にし、その人にとって新たな深さ・広さのある情報を提供できるようにすること。

相手の期待値をしっかりと認識しておくことで、自分の提供すべきもののレベルも定まってくる。

 

情報収集

定量的な情報はシンクタンクやネット等の公開資料・統計を参考に。

定性的な情報は関係者からの収集が主となるため、時間がかかる可能性もあり前もってその時間を見積もっておくこと。

また顧客や関係者に質問するときは「はっきりさせたいポイント」を前提に質問の具体性を高くすること。

そうすれば回答もより明確になり、結果としてより良いインプットにつながる。

インプットを行う際、どのようなアウトプットにしようかイメージを固めたうえで”足りない情報”を探す感覚で臨むと情報の取得効率が高まる。

 

プロセッシング

プロセッシング:得た情報から文脈に沿った意味合い・示唆・洞察を紡ぎだしていくこと

Ex.ある企業が大型の工場設備投資を実施⇒その工場の生産能力と減価償却の規模からどの程度の価格で市場に参入するかの目安を得られる

常に行動を提案する意識を持つこと。つまり「どうすべきか」という問いに対する解を用意すること。

その時に答えが出ないのは「問いの立て方」か「情報の集め方」に問題がある可能性があるため、立ち返って別の方策を考えるほうが良い。

また「考える」といっても、それは時間をかけるよりも何度も繰り返し考えたほうが突破口を見つけやすい。

 

知的生産では、統合・分析・論理・創造の4つのモードをうまく使い分けることが求められる。

◆分析 比べること。時系列分析では今と過去、構成比分析では部分と全体、といった比較。求められるアウトプットを規定する、問題の本質をつかむためにはまず分析が必要となる。/ばかりになると、「どうするのか」という問いに結論が出せなくなる。

◆統合 断片的な情報を組み合わせて新しいしさや意味合いを生み出すモード。分析のついとなるもの。/ばかりになると短兵急な拙速な結論を出す傾向にある。

◆論理 結論の妥当性が保たれるように推論を積み重ねていくこと。/ばかりになると凡庸で差別化の難しいプランばかりになる。

◆創造 積み重ねを省いて一気にゴールをイメージすること。差別化のためのプロセス。/ばかりになると面白いアイデアは出せるけど、筋道立たないことが多くなる。

分析の結果明らかになった事実を総合的に判断して、新味のある解を創出していくためには統合想像が欠かせない。これらの活動を底支えするために論理力はプロセッシングの全過程において求められる。

一次情報から洞察・示唆を引き出すコツ⇒紙に書きだし並べることで、情報の意外な組み合わせが生じることも。また俯瞰してみることもできるので、問いに集中しすぎて近視眼的見方に陥るのを防ぐ効果も。

プロセッシングに行き詰まったら「問い」をずらしてみると状況が打開できることも。問題は常に「現状とあるべき姿のギャップ」として問題点・解決策を再定義してみることも一案。

イノベーションを起こすためには「そもそも、どうしてそうなのか?」と「もし○○だったらどうなるか?」この二問を多用して思考レベルを深める。

 

アウトプット

アウトプットがWhat、Why、Howの三要素を備えているかを意識する。知的生産にはしないとどうなるか、すると何が得られるかといった最終的に行動の提案に繋がらなくてはならないため。

知的ストックを厚くする

ごみのようなインプットしていては、ごみのようなアウトプットしか生まれない為、何をインプットするかを意識しつつ情報元は峻別すべき。この時、ごみの峻別方法としてまずは名著・定番=「ハズレ」のなさそうな評価の確立している情報をおさえることが重要。